日本書紀に登場する「十束剣(とつかのつるぎ)」

「十束剣(とつかのつるぎ)」は、奈良時代につくられた日本の歴史書である「日本書紀」に登場いたしますが、固有の刀剣をあらわしているのではなく、ある程度の長さ(拳1つ分ほど)の刀剣を「十束剣」と呼んでいたのではないかと考えられているようです。「日本書紀」に、最初に登場する刀剣として知られる「天之尾羽張剣(あめのおはばり)」は、日本神話ににも登場する男の神、イザナギが所有する刀として知られております。「天之尾羽張剣」は、「伊都之尾羽張(いつのおはばり)」とも呼ばれ、神話に登場する男の神・イザナギと女の神・イザナミの間に最後に生まれた「カグツチ」を男の神であるイザナギが斬り殺してしまう刀であります。男の神・イザナギと女の神・イザナミの間に生まれた「炎」をまとった「火の神」カグツチは、出産時に母であるイザナミに火傷を負わせ死なせてしまうのです。母親に火傷を負わせ苦しめた息子カグツチに憤慨した、父親のイザナギは、天之尾羽張剣をもってカグツチに斬りかかり殺してしまうのです。事時、カグツチの血液と死骸から、再び多くの神々が生れることになるようですが、この時に生まれた神々は「水」に関連している神々であるとも言われているそうです。