裏の裏をかく銘鑑もれの偽物

一つは親国貞の脇差で上の出来が誰に見せても親国貞と鑑定するし、偽物のすくないものだというので買いましたが、偽物でした。一つは銘鑑もれの備前刀の平脇差。これも偽物で、銘鑑もれという点が裏の裏をかかれたものです。 薩摩刀が伝志津となる直江志津と見える無銘刀を購入したが先輩に見せて相談したところ、薩摩刀の”コナシ研”と教えられた。これを「コナシタ」研師も判明したので手放したが、後日審査で伝志津に認定されたのには驚きました。応永備前の在銘を買ったが、なかごの味が納得しかねるのでレントゲンにかけてみたら継ぎ目が発見された。刀身と銘はいいと先輩に言われたが、なぜこんな作為的な事をするのか。

また、審査員が正真といった刀だったが偽物だったケースもあります。日刀保の地方審査員に鑑定を依頼し、正真といわれて買った脇差、これを日刀保の審査会に出したら。偽物と認定された。源清麿の短刀、拵えが立派なのでほしくなり買った。なかごの銘ぶりはそっくりだが、薬品かなにかで化粧ヤスリをごまかしてある由。審査に出したが駄目。

二尺三寸余の互の目乱小丁子の良く出来た固山宗璽次四字銘の刀をいわきしの刀剣店で正真物として買った。審査に出したところ、不合格になってびっくりした。別な業者に半値で手放したところ、その業者が偽銘」を磨り落として無銘として出品、○特を取り、元値の五倍で売ったという。

手掻包水の偽物を○特の祐光と交換した。これまた審査でダメだったので手放したら、これも銘を落として○特に下由。出来の良い偽物を安く買って銘を消せばいいのではないか。銘にばかりこだわるなと思うようになった。このようにたくさんの偽物が隠れています。日本刀を買うのは本当に難しいことです。