日本人と日本刀の向き合い方

徳川家康によって開幕された江戸時代には、それまでの時代のなかでの日本刀の役割は大きく変わっていたようです。その流れのなかで注目すべきは、江戸幕府の開幕から明治時代の幕開けまでの約265年間のあいだに、主だった内乱がみられないことにありそうです。現代を生きる皆さんにとっての日本刀の意味合いと江戸時代を生きた人びとの刀剣への親しみは、戦国の世を生き抜いた人びとの価値観とは大きく異なっているのかもしれません。約265年ものあいだ、大きな内乱も革命もみられない江戸時代は、現代人にとってどのような影響を与えているのでしょうか。そこにこれからの日本人としてのあり方を問う課題がみつかるような気がしています。