武士の日常と刀

武士は職業軍人です。常に戦いを意識しておかなければなりませんでした。

彼らは奇襲に対しての備えも怠りません。暗闇から、家で寝ているとき、さまざまに敵は襲ってきます。

敵を警戒するために、生み出された技に「刃かざしの法」があります。

潜り戸などを通るときに使います。

頭上に左手で太刀をかざし、頭の上からの攻撃を警戒します。そのとき、鍔口は切っておき、右手で戸を開けて、いつでも頭上の刀を抜けるようにしておくのです。

屋敷内に入ったら、再び腰に太刀をさします。

座るときも警戒します。

刀の鍔が右の膝頭にふれるようにしておき、誰かが忍び寄ってきたら、膝で鍔を抑えます。

こうしておけば、後ろから鞘を掴まれても、中の刀は取られません。

その後、右手で刀を抜き斬ります。

外では羽織袴着用が武士の決まりですが、その袴の袖に刀の鞘を通して、カーテンのように相手に見えないようにして、自分の刀の長さや自分の態勢をさとられないようにしたそうです。

また、下緒留めなど、刀が腰で回らないように支える紐なども武士にとっては重要なもの。また、長さは人それぞれなのでオーダーメイドが一般的だったそうです。

そうなるとここは武士にとってオシャレのしどころなのかもしれません。

ところで刀剣などを見に行くと、以外に抜き身が短いような気がします。

感覚としてヤクザ映画に出てくるドスとか長ドスぐらいの大きさだなと感じました。

60センチぐらいが長い日本刀ということなのですが、やはり昔の人の身長を考えるとこれぐらいがよかったのでしょうか。

殿様クラスじゃないとオーダーメイドというわけにはいかなかったでしょうし、下級になると包丁の延長のような刀だったのかもしれません。

上級武士から雑兵まで刀を持たなければならないのですから、武士も大変です。