天羽々斬と十拳剣

「天羽々斬」は「十拳剣(とかのつるぎ)」とも呼ばれていて、スサノオがヤマタノオロチ退治の際に、ヤマタノオロチを斬った剣です。
「十拳剣」という名前の剣はこの場面以前にもいくつかの場面で登場します。
イザナキとイザナミの神産みの場面で、イザナキがカグッチを斬った剣も十拳剣と言われ、アマテラスとスサノオの誓 約の場面で使われた剣も十拳剣と呼ばれています。
十拳剣は十握剣とも十掬剣とも書かれますが、十拳剣とは固有名ではなく、 叩の拳の長さの剣の総称であるとも言われています。

ヤマタノオロチ退治の時に 使われた剣とその他の十拳剣と呼ばれるものとが同一であるかどうかは不明ですが、「天羽々新」と呼ばれる十拳剣はその後、備前回二百の石上布都魂神社に納められ、崇神天皇の時代に石上 神宮に移されました。